コト消費の裏側

2016年後半から「コト消費」というキーワードがメディアにも出てきて、
インターネットでの検索数が一気に伸びました。

その発端は、インバウンドの観光客がきっかけです。

「コト消費」で検索してみると、いろいろな記事がでてきますが、
その中でもまずこちらをご覧ください。

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【旅行大手、コト消費深掘り】
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO15422740X10C17A4TI5000/

旅行大手が訪日外国人に人気が高まっている「コト消費」サービスを充実する。

日本旅行は手軽に着物レンタルをできるようにし、
阪急交通社やJTBは研修・報奨旅行の獲得に乗り出す。

「爆買い」の沈静化で訪日客の1人あたり旅行支出は減る傾向にあり、
「コト消費」を深掘りする。

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【訪日客のコト消費つかめ、旅行大手、そば打ち、陶芸などPR】
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO12087940U7A120C1TI5000/

カヌーやそば打ち、陶芸など体験型レジャーの予約サイトが
訪日客の取り込みを急ぐ。

JTBやエイチ・アイ・エス(HIS)、楽天などが出資するサイトが、
海外への販路拡大や多言語対応、メニュー拡充を進める。

個人で地方を巡るリピーターが増え、
体験重視の「コト消費」にシフトしていることに対応する。

(日経電子版より)

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カンタンに言いますと、中国人観光客が「爆買い」をしなくなったので、
次の消費はモノではなく、そば打ちや陶芸などの日本らしい体験だ!
そこを狙え!というような感じです。

この内容からすると、

『コト=体験』

目に見えた商品ではなくて、体験できる商品づくりをしないといけない。
という風に見えますが、それはあまりに表層的な見方です。

観光客は、日本のモノは手に入れたので、

今度は日本のコトを手に入れたいと思っている。

日本のコト=日本の楽しいコト、怖いコト、信じるコト、驚くコトなど、

こう言った「コト」に触れたいと思っているので、そこにしっかりアプローチして行く必要があるんですね。

そう、「コト」は人の中にあるのです。

その人の中にあるコトを、深めたり、解決したりするお手伝いをすることで
「コト消費」に繋がるのです。

人の興味のあるコトを、深めるお手伝い
人の関心があるコトを、探究するためのお手伝い
人の不安なコトを、解消するお手伝い
人の、不便なコトを解決するお手伝い

こんな感じです^^

ひとつ具体的な事例で考えてみましょう。

例えば、あなたが旅行代理店の営業だったとします。

「爆買い」がなくなり商品が落ちた!どうしようか?と思てった時に、
「コト消費」に対応するプランをつくりなさい!と言われたとしてください。
あなたはどう考えますか?

『よし!商品は売れなくなったから、体験商品を考えなくちゃ!!!』

蕎麦打ちや陶芸、あとステンドグラスなんかもいいかな?
乗馬も体験だよな?あれ!?でも乗馬は日本らしくないか?
日本らしい体験できるものって何だろう???

と考えるのか、

『よし!中国人観光客はどんなコトに興味があるのか考えよう!』

やっぱり、中国の上海や北京というと人が多く雑踏の中にいるので、
ゆっくりのんびりと日本らしく楽しみたいんじゃないだろうか?
だったら、温泉につかって蕎麦打ち体験なども喜んでもらえそうだな!

ね、まったく違うでしょ。
この感覚、伝わっているでしょうか?^^

前者の考えで、コト消費にアプローチしていくと、続けていくうちにお客様とどんどんかけ離れたことになる可能性が高いんですね。

でも後者の考えでいくと、続けていくうちに、お客様との接点を見出し、お客様が望んでいることが提供できるようになっていくので、どんどん売れるようになる。

前者は、蕎麦打ち体験や陶芸体験という、売れそうな体験商品ばかりに目がいっている。
後者は、喜ばせたいお客様に目がいっている。

前者は、商品を売ることを考えている。
後者は、人に喜んでもらうことを考えている。

前者は、結果的に売れなくなる。
後者は、結果的に売れ続ける。

そう言う意味でいうと、コト消費というのは体験消費ではなく、お客様の心を豊かにするコトの消費なのです。

コト消費につながる、コト売り。
コト売りを具体的に実践していくのがコトマーケティングです。

結果的に売り続けるために、まずは「人」にスポットを当てる。
あなたの一番喜ばせたい方は誰でしょうか?

人の興味のあるコト
人の関心のあるコト
人の不安に感じてるコト
人の不便に思ってるコト

これは、人それぞれ違います。
日本への外国人観光客でも「人」をきちんと見る。

きちんと見て、知ることで、その人の求めているコトが見えてくるはずです。
求めていることが見えてきたら、それに対して、どんな商品やサービス、そして付加価値が付けられるかを考えて情報発信していく。

「欲しがってるコト=提供できるコト」をマッチングさせることが重要です。

例えば、道頓堀ホテルをご存知でしょうか?
外国人観光客に大人気の、飛ぶ鳥を落とす勢いのホテルです。
僕の知る限りでは、最初に中国人観光客を中心に大人気になり、その後外国人観光客全般に広がっていったと感じています。

道頓堀ホテルの想いをホームページから抜粋しました。

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●道頓堀ホテルの想い
http://dotonbori-h.co.jp/brand/index.html

創業以来、生き続ける想い

1970年。
我が国が、アジア初・日本初の「万国博覧会」の熱気に沸き、
大阪に世界中から観光客が集まった年に、道頓堀ホテルは開業しました。

やがて20年の歳月が流れ…
正面玄関に「四体像」を設置したのは1991年のことです。
この像は向かって左から東洋人、アフリカ人、アラブ人、西洋人を表現しており、
世界中のお客様をおもてなししたいという
道頓堀ホテルの想いがこもっています。

この創業以来、脈々と流れる「おもてなしの想い」は、
時を経てさらに太い幹となり、
今では、世界のお客様の「あったらいいな」を実現するホテルとして
広く世界に知られ、「顔のホテル」として愛されています。
日本の文化とおもてなしを体験できるホテル

日本を旅する外国のお客様の真のニーズは、
「日本の文化に触れたい」「日本のおもてなしを体験したい」
ということに気づいた私たちは、社員みんなで考えました。

(道頓堀ホテルのホームページより抜粋)

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この思いを元に、外国人観光客をしっかり見て、知って、できるコトを考え実践された。
その「できるコト」が積み重なったって独自のサービスとなるのです。

●日本に来た時の不便さを解消したい!
→観光案内book

●母国の家族がチョット心配な時もある
→国際電話5分無料サービス

●地元と同じように自転車で日本を回りたい!
→自転車貸し出しサービス

このように、それぞれの外国人のことを考えて創り上げたサービスがこちら
【ALL0円!無料21サービス】
http://dotonbori-h.co.jp/service/index.html

そして、日本らしい体験をしてもらおうと、このようなことも実施されています。
毎日変わる!【日本文化 体験イベント】
http://dotonbori-h.co.jp/event/index.html

本当に素晴らしいなと感じています。

人を見て、人を知ることで、人が望むコトが見えてきます。
望むものを得ようとする消費が「コト消費」です。

そう言う意味では、「爆買い」もコト消費なのです。
だって、その時期はそれを望んでいたのですから。

でも、商品を一通り得てしまうと、別のものを望むようになる。
モノの豊かさではなく、心の豊かさを望むようになるんですね。

これは、外国人観光客もそうですし、いまの日本の消費もそうです。
この視点を忘れずにしたいですね。

 

松野 恵介
この記事を書いた人
松野 恵介
コトマーケティング協会代表理事。12年で1,200社以上の会社やお店と一緒に、売上アップや集客アップについて実践を繰り返し成果を出し続ける。商店街や温泉地など、地域の活性化にも意欲的に取り組み、実績も多数。年間の講演回数は80回を超える。

5,お客様を知る・見る・聞く

お客様に「価値を伝える」ことはすごく大切なことであり、コトマーケティング的に「核」の部分でもあります。
ただ、この「伝える」という行為においては、必ず「相手」がいます。
その相手を知らずに伝えようとすると、どうなるでしょうか?

それは、ただ自分がいいたいコトを伝えるだけになる可能性が高い。
相手を見ていないから、相手を知らないから、まったく伝わらないのです。

相手を見る、知る、聞く

価値を伝えるためには、まず相手を見る、知る、聞く。
相手を理解すればするほど、価値を伝えやすくなります。

これを身近な事例から感じ取ってください。
少し前になりますがテレビを買い替えたときの話です。

お客様を知る見る聞く

テレビが「地デジ化」するときに、僕も仕方なくテレビを買い替えようとして、家電量販店に家族と一緒にテレビ見に行ったのです。その当時は、液晶テレビとプラズマテレビという2つのタイプがあって消費者からすれば、何がどう違うのかさっぱり分かりませんでした。

そんな中、自宅近くの家電量販店に行って、テレビの売り場に進んでいくと、ある男性の販売員の方が声をかけてきました。

販売員「(僕の子供を見て)お客様のお子様ですか?」
僕  「ええ、そうです」
販売員「お子さん、まだ小さいんですね、おいくつですか?」
僕  「5歳で、まだ幼稚園なんですよ」
販売員「だったら、テレビの画面とか掌でベタベタ触りませんか?」
僕  「そうそう! 思いっきり触ったりするんですよ」
販売員「実はそれって、液晶テレビの場合、故障の原因になりやすいんですよ」
僕  「えっ!? そうなんですか?」
販売員「なおかつ、保証外ですので、修理費もたかくて」
僕  「えっ! ほんとに?」
販売員「ですので、もしテレビをお買い換えの時はプラズマテレビがおススメです」
僕  「なるほど、そうなんですね」
販売員「お客様によって、選び方も異なってきますので、よかったらお住まいのことや、テレビの使い方などもお聞かせください。」
僕  「へぇ~だったら……」

こうして、僕はいろいろと話を聞き、プラズマテレビを購入したのですが、問題は僕がどのテレビを購入したかと言うことではなく、テレビを購入したプロセスにあります。

「どんなテレビをお探しですか?」
「ご予算はいくらくらいで」
「ただいま、このテレビが当店では人気があって」
(※販売員が言いたいこと)

もし、そんな接客だったら、嫌気がさして買っていなかったはずです。でも、僕はその日に、その接客を通して購入しました。

どうしてか?

状況が見えると、知りたいコトが見えてくる

どうして僕はその接客でプラズマテレビを購入したのでしょう??

①  最初は「相手のコト」に興味を持ち、相手のことを理解しようとする。
→僕の子供を見て、どんな状況か、どんなコトが想像できるかを考えた
② もっと知りたくて話しかけてみる。
→それを確認するために年齢を聞いてみた
③ 興味をもち、深く掘り下げてどんどん聞いてみる。
→困ってるコト、問題になってるコトなどを聞きだした
④ 相手のことが分かるにつれて、お互いの共通項目が見つける。
→困っているコトに対して解決策を伝えることで、よりよいテレビ選びにつながる。
⑤ そうすると、こっちのことにも興味を持ってくれて聞いてくれる。
→販売員が相談相手になり、いろいろな状況を話し、相手の話も素直に聞くようになる。
⑥、どんどん、分かり合えるようになる。
→家の状況を伝え、分かり、そこにピッタリのテレビが選べて満足する。

いかがでしょうか?相手(お客様)を知る、見る、聞くことで、お客様の状況がどんどん見えてくる。そうすると、知りたいコトが見えてくるのです。

どんなに素晴らしい商品やサービスであっても、その価値を伝えようとした時には必ず「伝える相手」がいることを頭の中に入れてください。

相手に価値を伝えるということは、相手の状況、相手の課題や悩み、相手の知りたいこと、を知った上で、どうすれば伝わるかを考えていくことが大切です。

ですから、お客様を知る・見る・聞く。
まずはお客様に興味を持つことが大切なのです。

 

松野 恵介
この記事を書いた人
松野 恵介
コトマーケティング協会代表理事。12年で1,200社以上の会社やお店と一緒に、売上アップや集客アップについて実践を繰り返し成果を出し続ける。商店街や温泉地など、地域の活性化にも意欲的に取り組み、実績も多数。年間の講演回数は80回を超える。

売れるDM:誰に、どんな時に利用してほしいのか?

 

暑い夏の日は、仕事を終えた後に飲むキンキン冷え冷えのビールが楽しみでなりません♪
こんにちは、みちのく草食系、コトマーケティング・マスターコンサルタントの米谷仁です。
しかもお店で飲む最初の一杯は、もう格別!!最高に美味しいですよね!

そんな妄想をしている午後に届く居酒屋からのDMハガキ。

「きょうもお仕事お疲れさまでした!!」というキャッチコピーにスタッフの笑顔、フキダシには「ビールとグラスをキンキンに冷やしてお待ちしてます♪」、ダメ押しで湯気が立ち上りサッと塩が振ってある茹でたてシズル感たっぷりプリップリ枝豆のメインビジュアル!
こんなの送って来るなよ、ヤメテ~~ッ…と思っても生ツバごくり、アタマの中では今夜そのお店に行くコトを考えてしまいますよね!!ボクが作るなら絶対にそんな迷惑DMを作ります(笑)

そんな矢先に、リアルに居酒屋よりDMハガキが届きました。

おっ!!スタッフの笑顔!イイ感じ♪
で、ナニナニ…

売れるDM

おかげさまで11周年を迎えることとなりました
心からの感謝を込めて●●(店名)の会席プラン
一日「ひと組様」限定
二階の和室でゆったりとお楽しみいただけます
これからも何卒ご愛顧の程 お願い申し上げます

 

裏面は… おかげさまで11周年「おふるまいプラン」和室の画像・コース内容…

売れるDM


違うぅぅぅぅうううう…

 

スタッフの笑顔があってお手紙風!
見た目は人を前面に出していい雰囲気でしたが、その後にあるのが料理内容・価格・和室・サービス…残念ながら完全にモノ売りのDMです。

一番伝えたい内容が「一日ひと組2階和室でゆっくりと」ということだとした場合、コトマーケティング的に、まず最初に伝えてほしいのは…

●誰に利用してほしいのか
●どんな時に利用してほしいのか
●それでどんな良いコトがあるのか

こんな内容です。
例えばそれをキャッチコピー・リードコピーにすると、伝わり方は違ってきます。

(キャッチコピー)
大切な仲間や部下たちと、たまには膝づめでじっくり語りたいあなたへ

(リードコピー)
キュンと冷えた生ビール・地酒・ワインと料理長懇親「旬の会席」を、一日ひと組限定の落ち着いた和室で(8名様まで可)。おかげさまで11周年、私たちの感謝のキモチも満載にお待ちしております。

冷たいビール、旬の味覚の美味しさ、一日ひと組限定であることの価値、和室の落ち着いた空気感、広さなどが伝わって来ますよね。

「コト」を伝えるとは、このお店に来ると「どんないいコトがあるのか」「どんな理由で来てほしいのか」ということであり、来店の価値や理由を伝えること。メニュー内容や価格、料理や部屋の写真だけでは伝わらない大切なコトが、もっとたくさんあります。

「誰に、どんなコトができるのか」
「それが、どうしてできるのか」

このふたつの視点で自分のお店、自社のビジネス・商品・サービスについて、もう一度見つめ直してみましょう。選ぶ理由や価値が見る人にもっと伝わるはずです。ぜひやってみてくださいね!!

 

 

米谷 仁
この記事を書いた人
米谷 仁
1961年、宮城県仙台市生まれ。
広告代理店デザイン室(東京)、印刷会社企画室(仙台)を経て独立。以降『売れるデザイン』『人が思わず反応する販促ツール』をつくるために実験を重ねる。精度をさらに高めるため、2010年有限会社感動販促研究所設立。草食系マーケティング・デザイナーとして企画、デザイン、講演、執筆、コンサルタントとして活動し、2016年コトマーケティング協会マスターコンサルタントに。

売れるチラシ:母の日ギフト

 

こんにちは、コトマーケティング協会マスターコンサルタントのツヨシです!
今日は息子と二人で、うちの奥さんの誕生日プレゼントを二人で作っています☆

我が家の5月は大忙し!なぜなら5月の中頃に母の日が来て、月末に奥さんの誕生日が来るので、毎年この時期になると息子と二人で(1)プレゼント何にするか頭を抱え(2)奥さんにそれとなく探りを入れ(3)思いついたのを二人で作る。これが月2回もやってきます(笑)

息子と二人、男同士で奥さんへのプレゼントを考えるのはいつも大変。。。
まぁ、楽しいんですけどね(笑) でも誰か40歳の女性が喜ぶプレゼントを教えて下さい!

そんな中、5月の頭にポストに入っていたのがこのチラシ!

売れるチラシ

とあるホームセンターの
母の日ギフトのチラシです。

まさにその時の私たちにぴったりのタイムリーなチラシ!
そう!こんなの欲しかった!!

チラシを打つタイミングは、ばっちりです!!

でもね〜

ちょっともったいない!!

なぜかって、このチラシには商品名とスペックと金額しか書いていないから。

どういうことかというと、僕たちは男二人でこのチラシを見て何をプレゼントしたら喜んでくれるかが解らないんです。解らないから他の似たようなチラシも全部見るし、カタログも見るし、ネットでも探し、お店も廻っちゃう。「商品名とスペックと金額」だけでは選べないんです。

コトマーケティング的方法の一つに「ターゲットの「不」を解消する」というのがあります。

この場合のターゲットはまさに僕たち(笑)
では、僕たちの「不」=不安・不満・不便=悩みは?

母の日に何をプレゼントしたら喜んでくれるか解らない!

ですよね。

それを教えてくれるチラシにするだけで、反応は全く変わってきます。

例えば、キャッチコピーに「5/14母の日ギフト」って入っていますが、
それを「喜ばれる母の日プレゼント、お教えします☆」に変えて、パートで主婦の人たちに自分がどれを貰ったら嬉しいか、なぜ嬉しいのかをたくさん書いてもらうんです(笑)

「私は肩こりが酷いから、これをもらえると楽になって嬉しい!」とか
「ウチは最近野菜不足だから、このジューサーを貰えたら家族にスムージーを飲ませて健康管理ができるから嬉しい!」とか、
もしくは「この健康器具使ってみたけど、三日坊主の私でも楽に続けられるからオススメよ!」でもいいです(笑)

さらに『期間中は、主婦のスタッフが「母の日アドバイザー」のバッチをつけていますので、お声がけ頂ければ、お母さんが喜ぶプレゼントをお教えしますよ!』ってまで出来れば完璧。

もうね。
私が今すぐ行きます(笑)

 

みなさんはどちらを選びますか?
・商品名とスペックと金額の「モノ」がたくさん載ってるチラシのお店と
・喜ばれるプレゼントを一緒に考え、教えてくれるチラシのお店。

私はプレゼントという「モノ」が欲しいのではなく、息子と二人で奥さんを喜ばせるっていう「コト」が欲しい。だからそれを教えてくれるお店を選びます。

理事長もコラムで『実は、モノを買ってはいるのですが、モノそのものが欲しいわけでは無く、モノを通して「別のコト」を望み、買っている』書いていましたが、こういうのがコト消費につながるんですね。 「コト消費とは」http://shareco.xsrv.jp/column/1027/

みなさんのお店に来るお客様は、どんな「不」(不安・不満・不便など)を抱えていますか?
そしてそれをどのような方法で解決できますか?

一度考えてみてくださいね〜☆

 

木下 剛志
この記事を書いた人
木下 剛志
株式会社写楽 代表取締役
1971年生まれ、大阪府東大阪市出身
元フランス料理のシェフという異色の経歴ながら、28歳でデザイナーに転身し2002年、東京に株式会社写楽を設立。「売上を上げるためのデザイン」を追求し、マーケティングをはじめ、心理学や行動経済学を取り入れた販促セミナー、企業コンサルティングや、販促ストーリーの企画、デザイン制作物は多くの企業に評価されている。
また「デザイナーにこそ、マーケティングの力を」との想いから、全国のグラフィックデザイナー、WEBデザイナー向けに特化したコトマーケティングセミナーを開催している。
2016年コトマーケティング協会 マスターコンサルタント認定

コトマーケティング的視点:同窓会

 

こんにちはツヨシです!

実は先日私の高校時代のラグビー部の同窓会が居酒屋でありまして、中には30年ぶり位に会う仲間なんかも居たりして、物凄く盛り上がりました(笑)
「同じ釜の飯を食った仲間」というのでしょうか?リアルで全く会ってなくても、またSNSとかで繋がっていなくても、同じ方向を向いて進んできた仲間は何十年ぶりに会っても変わるコトなく話もつきませんね。(毛髪&体型はえらく変わりましたが。。。)

次の日、奥さんにその時の話をしていたのですが「どんなお店で何食べてきたの〜?」って聞かれて、驚きました。

全然覚えていないっ!!(汗)

 

酔っ払って覚えていないのではありません(笑) 仲間たちと話した内容はしっかりと覚えているのですが、食べたお料理や、内装、店員さんのコトはほとんど覚えていないのです!

その時繋がりました。これぞまさに「コト消費」だなって。
私はお料理や内装、サービスを楽しむために参加したわけじゃないんです!ただ、高校時代のラグビー仲間と思い出話をして、楽しい時間を過ごしたかった。それがまさに「コト消費」なんです。

コト消費

もちろんお料理が残念だったり、サービスが酷くても良いってわけではありません。でも「楽しい時間を過ごす」コトが一番の目的なので「楽しかったコト」しか、私の記憶に残っていないんですね。

ちなみに「立地」は大阪でした(笑) 同窓会のためだけにホテルを予約して、東京から一人新幹線に乗って参加しました。参加費は5000円でしたが、支出を考えると「立地」と「金額」は最悪です(笑) でもトータルで判断して「楽しい時間を過ごす」コトの価値の方が大きかったから私は参加しました。

理事長もコラムで「コト消費」について書いています。

興味のある「コト」を満たすために消費する
不安に感じる「コト」を解消するために消費する
不満に感じる「コト」を解決するために消費する
これが「コト消費」なのです。
コト消費とは?http://shareco.xsrv.jp/column/1027/

まさにそんなコト消費を自ら体感させてもらえた同窓会でした(笑)

でもこれ、幹事さんの視点で見たらどうでしょう?
同窓会や歓送迎会のチラシはよくありますが、お料理や金額、地図などの「モノ情報」しか記載されていません。
同窓会の幹事さんはその「モノ情報」を見て「このお料理だったらみんな楽しめるかな?」「この金額だったらみんな払えるかな?」と自分で考えて選ばないといけない。

ではそれを同窓会の幹事さん向けに発信を「コト情報」に変えると。。。

●同窓会で盛り上がる「お料理」がこれです!
●同窓会でより楽しんで頂く「こんな接客」やってます!
●同窓会で集まりやすい「こんな立地」です!
●同窓会で一体感を味わえる「内装」がこれです!
●同窓会で幹事の方が計算しやすい「金額」です!
と、いう風に変わってきます。

いかがです?「モノ情報」だけの記載より断然選びたくなりますよね!

さらにお店がコトマーケティング的視点になると
立ち位置が「美味しいお料理を、適正価格で提供する仕事」から
「同窓会で楽しい時間を過ごしてもらうお手伝い」に変わってきます。

すると「思い出の動画を流せるプロジェクターを用意してみよう」とか「オプションで記念品を用意してみよう」とか「集合写真を撮りやすくしよう」とか「招待状もお手伝いしよう」とか「多くの人と話せるように席替えしやすくしよう」とか、楽しい同窓会にしてもらうためのサービスが、スタッフからどんどん出てくるようになります。

こうなれば、もはや居酒屋ではありませんね
「最高の同窓会専門店」です(笑)

コト消費

最近「コト消費」という言葉が世間でもよく使われるようになりましたが、どういう意味なのかいまいちピンとこない(笑)。でも実は皆さんも毎日のように「コト消費」をしているのかもしれません。

お店をやってる方も、自分のお店が「コト消費」利用してもらっているかどうか、一度振り返ってみてくださいね☆

 

木下 剛志
この記事を書いた人
木下 剛志
株式会社写楽 代表取締役
1971年生まれ、大阪府東大阪市出身
元フランス料理のシェフという異色の経歴ながら、28歳でデザイナーに転身し2002年、東京に株式会社写楽を設立。「売上を上げるためのデザイン」を追求し、マーケティングをはじめ、心理学や行動経済学を取り入れた販促セミナー、企業コンサルティングや、販促ストーリーの企画、デザイン制作物は多くの企業に評価されている。
また「デザイナーにこそ、マーケティングの力を」との想いから、全国のグラフィックデザイナー、WEBデザイナー向けに特化したコトマーケティングセミナーを開催している。
2016年コトマーケティング協会 マスターコンサルタント認定

売れるポップ:わかりやすくする♪

 

ついこの前まで寒かった東北、もう暑いほどで、春があまりなかった気がします★

こんにちは、みちのく草食系、コトマーケティング・マスターコンサルタントの米谷仁です。
暑い季節の東北地方にも、たまらなく美味しい食べ物がたくさんあります。そのひとつが秋田県の稲庭うどん!しかも近頃は、わざわざ秋田へ出向かずとも食べられます。

日本三景・松島にある「たきさわ家」。ココはボクの友だちのお店で、ひいき目なしにかなり美味しく、いつもたくさんのお客さまで賑わっています。

売れるポップ

お店で食べて感激したお客さまが、自宅でも食べられるようにとお土産コーナーも準備。そこにこんなPOPがはってありました。

売れるポップ

モチツル 実は食感が面白い!
売切御免!!早い者勝ち☆
稲庭うどん かんざし麺(4人前)540円

「?」

かんざし麺って、稲庭うどんの種類のコト?
売切御免・早い者勝ちってことは人気があるの?
安いから?なぜなの????


伝わってませぇぇぇぇ~~~~ん★

 

そこでその友だちに直接このPOPの意味を聞いてみました。
「かんざしっていうのは、うどんを棒に通して干すときにできる端っこの丸まった部分のことで、味は何も変わらない。でも売れないから安くして店頭で販売している」とのこと。

そこで頼まれてもいないのに「勝手にコトマーケティング・コンサルタント」(笑)
彼が言った内容の伝え方をコトマーケティング的な視点でアドバイスして、今あるPOPのヨコに情報を追加するPOPを貼ってもらいました。

それが、コチラ!

売れるポップ

見た目はこんな感じですが…味はもちろん!同じ!
この量で、この値段!!私なら、絶対こっち♪
むしろキレイにまとまる!「かんざし」だけに(笑)

「かんざしって何ですか?」商品を手にしながらそう質問してくれるお客さまが増え、置くとスグ売れるようになったと喜んでいました♪

売れるポップ
入荷待ち(笑)

POPを書いて貼っておけば売れる、というわけではありません。お客さまは、かんざし麺を食べたいわけでも、こよなく大好きなわけでもありません。自分が食べておいしかった稲庭うどんを買って帰りたいだけ。この商品を売店で見たときに、 “この商品の価値” “この商品を買う理由”がわからないから、だから買わないわけです。

それに気づいてもらうのがPOPの役割。

書いたPOPがわかりやすかったかどうかは、その商品の売れ行きでスグ判断ができます。もし1週間貼って何も反応がなければ、遠慮なく書き変えましょう。その手軽さがPOPの魅力でもありますからね!

お店のスタッフや家族の方にも話を聞きながら、それぞれの商品をおススメする理由をわかりやすくPOPに書いて、たくさん貼り出してみてください。きっとビックリするような成果が手に入るはずですよ♪

 

米谷 仁
この記事を書いた人
米谷 仁
1961年、宮城県仙台市生まれ。
広告代理店デザイン室(東京)、印刷会社企画室(仙台)を経て独立。以降『売れるデザイン』『人が思わず反応する販促ツール』をつくるために実験を重ねる。精度をさらに高めるため、2010年有限会社感動販促研究所設立。草食系マーケティング・デザイナーとして企画、デザイン、講演、執筆、コンサルタントとして活動し、2016年コトマーケティング協会マスターコンサルタントに。

コト消費とは

 

「コト消費」もそうであるが、「コト売り」「コトづくり」もそうだし、
「コトマーケティング」についても、様々なメディアで取り上げられています。

僕自身1200社以上の会社やお店とコトマーケティングを実践してきて、
本当にその効果を実感しています。

コト消費とは

 

一般社団法人コトマーケティング協会 代表理事の松野恵介です。
今日は「コト消費」について。

「コト消費」について検索してみると、このような記事が出てきます。

ある商品やサービスを購入することで得られる、使用価値を重視した消費行動。
高度経済成長期以降の日本人の消費行動は、三種の神器(冷蔵庫、洗濯機、掃除機)や
通称3C(乗用車、クーラー、カラーテレビ)に象徴されるように、
モノの所有価値を重視してきた。

このような消費傾向はモノ消費といわれる。

コト消費ということばは、消費者の価値観やお金の使い方が、
従来のモノ消費から大きく変化したことを印象づける意味で、
2000年(平成12)ごろから使われるようになった。典型的な傾向は、
所有のためではなく、趣味や行楽、演芸の鑑賞などで得られる特別な時間や体験、
サービスや人間関係に重きを置いて支出することで、それが購買の判断基準となっている。

コトバンクより抜粋

【モノ消費】
個別の製品やサービスの持つ機能的価値を消費すること。価値の客観化(定量化)は原則可能。

【コト消費】
製品を購入して使用したり、単品の機能的なサービスを享受するのみでなく、
個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を対象とした消費活動のこと

平成27年度地域経済産業活性化対策調査報告書より抜粋

これらの検索結果からは「コト=体験」「コト=体験価値」
と受け取れますが、果たしてそうなのでしょうか?

そうだとしても、この「体験」という言葉の真意は?

これを、もう少し越し掘り下げて考えてみます。

まず最初に見てもらいたいデータがあります。
内閣府の国民生活白書からの抜粋です。

コト消費
出典 内閣府国民生活白書http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/01_honpen/html/07sh000101.html

これは「物の豊かさを求めるか、心の豊かさを求めるか」を聞いたことをグラフにしたものです。
上に伸びているのは「心の豊かさ」、下に下がっているのは「物の豊かさ」です。
この差は、年々開いていく傾向にあるのが見て分かります。

少しさかのぼって、物と心が同じくらい欲求があった時代はというと、、、、
1979年(昭和54年)。この年を境に物と心のグラフが開き始めています。

この時代を振り返ってみると、こんな感じです。

・インベーダーゲーム大流行
・第2次石油ショック
・初の国公立大学共通一次試験実施
・第1回東京国際女子マラソンが開催
・『ドラえもん』放送開始
・上越新幹線の大清水トンネル貫通(当時世界最長)

ヒット商品は、こんな感じ。

・ウォークマン TPS-L2(ソニー)
・パソコン PC-8001(日本電気)
・日本語ワードプロセッサ JW-10(東京芝浦電気)
・カード電卓(シャープ)

まだまだ新しい商品は生み出されていますが、
正直「モノは一通りいきわたった」ということが言えるのではないでしょうか。

冷蔵庫、掃除機、クーラー、テレビもそうですし、
衣料品やクルマなども。

もちろん、もっとイイものを欲しいという欲求はあるかもしれませんが、
一通りの物は手に入れた。

例えば、洋服は毎年トレンドのものは欲しいですが、明日着ていく服には困らない。
そんな状況です。

そうなると、モノへの欲求よりも、心を満たすことが大切になってくる。

「モノよりココロ」

これが、コト消費の原点だと考えます。

・ココロを満たすってどういうこと?
・それが消費とどうつながるの?

これを紐解いていきたいと思います。

ココロと消費

では、皆さんも最近買ったものを思い出してみてください。

そうですね、できたら1万円以上のモノを。

私はというと、最近ノイズキャンセル機能付きのヘッドフォンを買いました。

コト消費

すこし購入に至った経緯をお話ししますね。

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ある勉強会で私の担当の方から、こう言われました。

担当者「松野さんは、出張で移動が多いでしょ」
私  「ええ、移動が仕事のようなものです」
担当者「移動中は、何をしてるんですか?」
私  「正直、仕事してるか、寝てることが多いですね」
担当者「だったら、いいモノがあるんですよ!」

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こうして紹介されたのが、ノイズキャンセル機能付きヘッドフォン
彼の持っていたヘッドフォンを付けさせてもらって驚きました。

このヘッドフォンはホント優れもので、スイッチを入れると、
ほとんどの騒音は消し去ってくれる!

付けてスイッチを入れると、す〜〜〜っと自分だけの世界に入れる感じ。
「へぇ〜こんなヘッドフォンがあるんですね!」

これなら仕事をしていても集中できるし、
寝る時も雑音が一切気にならないからゆっくり寝れる。

「こりゃ買いだな」

ってことで、聞いたその日に購入しました。

さて、私はノイズキャンセル機能付きヘッドフォンは買いましたが、
ノイズキャンセル機能付きヘッドフォンそのものが欲しかったのでしょうか?

それは「NO」です。

私は、「移動中の快適さ」が欲しかっただけ。

もっと細かくいうと
「移動中に集中して仕事ができるコト」
「移動中にスグに寝れる環境をつくるコト」

これを手に入れたかったのです。

それを叶えてくれるのが、結果的にこのヘッドフォンだっただけ。

まさに「コト消費」です。

伝わっているでしょうか?

モノが欲しくて買った訳ではない

実は、モノを買ってはいるのですが、
モノそのものが欲しいわけでは無く、
モノを通して「別のコト」を望み、買っている。

その時にもっている、
興味のある「コト」を満たすために消費する
不安に感じる「コト」を解消するために消費する
不満に感じる「コト」を解決するために消費する
これが「コト消費」なのです。

そう言う意味では、
モノが一通りいきわたった時代、そしてモノ余りの時代には、
心を豊かにする消費「コト消費」が起こる。

これに対応していくことが、商売をする上で非常に重要になってくることはいうまでもありません。

 

松野 恵介
この記事を書いた人
松野 恵介
コトマーケティング協会代表理事。12年で1,200社以上の会社やお店と一緒に、売上アップや集客アップについて実践を繰り返し成果を出し続ける。商店街や温泉地など、地域の活性化にも意欲的に取り組み、実績も多数。年間の講演回数は80回を超える。