「一個人」で話すと、届く! スタッフブログ こんばんは!写楽のデザイナー、原です。 突然ですが、みなさんは「国際信州学院大学」ってご存知ですか? これについてをちゃんと話すと長くなってしまうので明かしてしまいますが、「国際信州学院大学」とは、実在しないネット上の架空の大学です。 学歌から生徒たちの就職先から、とにかく細部まで無駄に細く設定付されており、一部だけサイトを見た人であれば騙されてしまうかもしれない程度には練り上げられています。(面白いので、興味があったら一度ググってみてください!) ツイッター好きな方ならご存知かと思いますが、ちょっと前に、この大学がツイッター上で結構大きめに炎上しました。 実在しない大学が炎上? そうなんです。実在しないのに、それはもう叩かれました。 事の経緯はこうです。 とある料理屋さんが、その大学の先生たちからの予約を受けました。人数は50人で、かなりの大口です。 これが当日、なんと事前連絡無しにキャンセルされてしまいました。 その旨を、キャンセルされた料理屋さんがまことしやかにツイートしたんですね。 食べ物が大量に無駄になったこと、電話をしたらひどい対応をされたこと、凄く悲しい気持ちになったこと、それと同じくらい怒っていることを、臨場感たっぷりに伝えていました。 そんなツイートに国際信州学院大学(念のため繰り返しますが、架空の大学です!)の学生が 「先生たちに代わって謝罪します」 というリプライ(返信)をつけたことをきっかけに、 「大学自体が架空であること」を知らない人々が次々と拡散・リプライ等を繰り返し、火種はどんどん大きくなっていきました。 しかしある程度炎が燃え広がってくると、今度は「架空であると元から知っていた人たち」のネタバレも同時に拡散され始めました。 今ではもう「なんだ、冗談だったのか〜!よかった!」と、みんなが落ち着きを取り戻している状態です。 (だいぶ省略してしまいましたので、もし興味があれば詳しくはまとめ等をお探し下さい) さて問題は、なぜ実在すらしない大学がこんなに炎上しちゃったのか、ということです。 ・無断キャンセル ・絶対的に悪い人が、今現在罰せられずにいて、罰することができそうである ・悪い人が権力者である、などなど… このあたりは「叩きたい人」にとって格好の餌食になりがちな材料ですから、炎上の法則を各種踏み抜いている、というのはもちろんありますが、 炎上しているのが架空の大学だと気づかれないままに、こんなに広がってしまった理由の一つ。それは、 「ツイッターで見たもの、なぜか素直に信じてしまう現象」が沢山の人に起きてしまったからです。 ツイッターは他のSNSと比べても、デマが流行りやすいですよね。 これは「本音や本当のことがリアルタイムで流れてくるツール」だと思っている人が多いからというのが、原因の一つにあると思うのです。 多くの人が匿名でやっていて、相手の年齢はおろか、性別もわからないままで交流を持っていることも多々あります。趣味や興味についてかなりオープンに話している人が多く、企業アカウントまでもがプライベートなことや趣味の話を頻繁につぶやいていますよね。 「ここではみんなが仕事や立場を離れた、対等な一個人」 そんなふうに感じる場が出来上がっているのかもしれません。 そんな仕事上・立場上の建前がなくなった場で発せられる言葉は、「そのひと個人の思いから生まれた言葉」として捉えられます。 そうすると、なぜか、素直に受け手の心に届きやすくなってしまうんです。 なぜこんなに断言するのか? そうです。 これもまた、写楽的販促と通じるものがあるからです。 「街なかですれ違った女性二人組が褒めちぎっていた化粧品」のほうが、 「外国人モデルを起用したテレビCMの化粧品」よりも気になってしまう、あの現象です(男性にわかりにくい例で申し訳ないです…)。 炎上はちょっとよろしくない例ではありましたが、 「本心から出たであろう言葉」「損得勘定なしに発せられたであろう言葉」がいかにスムーズに信じてもらえるかという、顕著な例でした。 逆を言えば、 どんなに耳障りが良いことや魅力的っぽい言葉をたくさん並べてみても、お客さんがそこに“社会人”や“営業”を感じてしまった途端に、 「…で、それを買わせる気なんでしょ?」とバリアを1枚張られてしまいます。 そうなれば念入りに「自分に害がないかどうか」を調べてからようやく「よし通れ!」となるか、もしくは最初から「近寄らないでおこう…」と迂回されてしまうこともあります。 もちろんこの法則だけが売れる・売れないを左右するなんてことはありません。 しかし正直であること、本当に良いと思ったところを掛け値なしに自分の言葉で伝えるということ、それが本当に本心であると相手に伝わっていることが、 色々なハードルをぐんと下げてくれるのは確かです。 心の機微は難しいですが、自分だったらどういう時に心のバリアが外れているか、逆にどういう時に防御態勢を取るか、考えてみるとわかりやすいかもしれませんね。 今日は皆さんが興味を持ちそうな内容でライトな記事にしようと思っていたのですが、ついまたこんな長さになってしまいました。 今週も読んでくださった方、ありがとうございます。また来てくださいね! 2018年5月24日 0
「一個人」で話すと、届く!
スタッフブログ
こんばんは!写楽のデザイナー、原です。
突然ですが、みなさんは「国際信州学院大学」ってご存知ですか?
これについてをちゃんと話すと長くなってしまうので明かしてしまいますが、「国際信州学院大学」とは、実在しないネット上の架空の大学です。
学歌から生徒たちの就職先から、とにかく細部まで無駄に細く設定付されており、一部だけサイトを見た人であれば騙されてしまうかもしれない程度には練り上げられています。(面白いので、興味があったら一度ググってみてください!)
ツイッター好きな方ならご存知かと思いますが、ちょっと前に、この大学がツイッター上で結構大きめに炎上しました。
実在しない大学が炎上?
そうなんです。実在しないのに、それはもう叩かれました。
事の経緯はこうです。
とある料理屋さんが、その大学の先生たちからの予約を受けました。人数は50人で、かなりの大口です。
これが当日、なんと事前連絡無しにキャンセルされてしまいました。
その旨を、キャンセルされた料理屋さんがまことしやかにツイートしたんですね。
食べ物が大量に無駄になったこと、電話をしたらひどい対応をされたこと、凄く悲しい気持ちになったこと、それと同じくらい怒っていることを、臨場感たっぷりに伝えていました。
そんなツイートに国際信州学院大学(念のため繰り返しますが、架空の大学です!)の学生が
「先生たちに代わって謝罪します」
というリプライ(返信)をつけたことをきっかけに、
「大学自体が架空であること」を知らない人々が次々と拡散・リプライ等を繰り返し、火種はどんどん大きくなっていきました。
しかしある程度炎が燃え広がってくると、今度は「架空であると元から知っていた人たち」のネタバレも同時に拡散され始めました。
今ではもう「なんだ、冗談だったのか〜!よかった!」と、みんなが落ち着きを取り戻している状態です。
(だいぶ省略してしまいましたので、もし興味があれば詳しくはまとめ等をお探し下さい)
さて問題は、なぜ実在すらしない大学がこんなに炎上しちゃったのか、ということです。
・無断キャンセル
・絶対的に悪い人が、今現在罰せられずにいて、罰することができそうである
・悪い人が権力者である、などなど…
このあたりは「叩きたい人」にとって格好の餌食になりがちな材料ですから、炎上の法則を各種踏み抜いている、というのはもちろんありますが、
炎上しているのが架空の大学だと気づかれないままに、こんなに広がってしまった理由の一つ。それは、
「ツイッターで見たもの、なぜか素直に信じてしまう現象」が沢山の人に起きてしまったからです。
ツイッターは他のSNSと比べても、デマが流行りやすいですよね。
これは「本音や本当のことがリアルタイムで流れてくるツール」だと思っている人が多いからというのが、原因の一つにあると思うのです。
多くの人が匿名でやっていて、相手の年齢はおろか、性別もわからないままで交流を持っていることも多々あります。趣味や興味についてかなりオープンに話している人が多く、企業アカウントまでもがプライベートなことや趣味の話を頻繁につぶやいていますよね。
「ここではみんなが仕事や立場を離れた、対等な一個人」
そんなふうに感じる場が出来上がっているのかもしれません。
そんな仕事上・立場上の建前がなくなった場で発せられる言葉は、「そのひと個人の思いから生まれた言葉」として捉えられます。
そうすると、なぜか、素直に受け手の心に届きやすくなってしまうんです。
なぜこんなに断言するのか?
そうです。
これもまた、写楽的販促と通じるものがあるからです。
「街なかですれ違った女性二人組が褒めちぎっていた化粧品」のほうが、
「外国人モデルを起用したテレビCMの化粧品」よりも気になってしまう、あの現象です(男性にわかりにくい例で申し訳ないです…)。
炎上はちょっとよろしくない例ではありましたが、
「本心から出たであろう言葉」「損得勘定なしに発せられたであろう言葉」がいかにスムーズに信じてもらえるかという、顕著な例でした。
逆を言えば、
どんなに耳障りが良いことや魅力的っぽい言葉をたくさん並べてみても、お客さんがそこに“社会人”や“営業”を感じてしまった途端に、
「…で、それを買わせる気なんでしょ?」とバリアを1枚張られてしまいます。
そうなれば念入りに「自分に害がないかどうか」を調べてからようやく「よし通れ!」となるか、もしくは最初から「近寄らないでおこう…」と迂回されてしまうこともあります。
もちろんこの法則だけが売れる・売れないを左右するなんてことはありません。
しかし正直であること、本当に良いと思ったところを掛け値なしに自分の言葉で伝えるということ、それが本当に本心であると相手に伝わっていることが、
色々なハードルをぐんと下げてくれるのは確かです。
心の機微は難しいですが、自分だったらどういう時に心のバリアが外れているか、逆にどういう時に防御態勢を取るか、考えてみるとわかりやすいかもしれませんね。
今日は皆さんが興味を持ちそうな内容でライトな記事にしようと思っていたのですが、ついまたこんな長さになってしまいました。
今週も読んでくださった方、ありがとうございます。また来てくださいね!